父親が産後うつにならないために

子育て支援

父親も育児休暇を取得できるようになって、父親の産後うつが増加していると言われていますが、父性は母親より遅れて発達します。母性は妊娠中に徐々に育まれますが、父性は、新生児が生まれた後から、実際に新生児を見て触れて育まれていきます。

父親の心理的変化

  • 男性の父性に目覚める時期は、母親に比べて遅いといわれています。
  • 父親は、子どもを抱いたり触ったりして、子どもとのかかわりの中で、子どもの存在を実感し、子どもへの愛情を形成する行動をとります。 そして父親は、生まれた我が子に夢中になりますが、父親のこの感情を没入感情と言います。
  • 第1段階:子どもが家にやってきたあとの生活がどうなるのかを予想する。
  • 第2段階:実際の子どものいる生活が予想と反したものであることを実感する。
  • 第3段階:子どもとの生活に積極的に巻き込まれ、父親としての必要な技術を習得し、調整することを決定する。

父親と乳児のかかわりの要素

 ・父親自身の自分の父親との関係性や、妻からのサポートの有無はリスク要因になります。

 ・乳児とのかかわりをためらう理由は、                               ①睡眠不足が生じる ②育児技術の習得不足③母児の親密な関係性を目にしたりして疎外感を抱く、などがあります。

仕事との関係

• 父親支援の担い手として、就業先が担える役割は大きいと言えます。父親の家事・育児時間増加のポイントは、超過勤務を減少し父親を早く家庭に帰すことです。

• 仕事関連時間の制限なくして、家事・育児時間の増加はありえないと考えられます。

・就業先や仕事仲間の理解・協力を得て育児のための時間を取りましょう。

リスク要因】母親のリスク因子とほぼ同じ

低収入、不安定な就労状況、望まない妊娠、子どもの病気、夫婦関係、

母親のメンタルヘルス、周囲からの支援不足、メンタルヘルス不調の既往歴

その影響:家庭/社会への短期~長期的な悪影響

育児の質・量の低下、虐待リスクの増加、児との愛着形成の阻害、子どもの発達の鈍化

(社会・言語・情緒)、学齢期・思春期の子どものメンタルヘルス不調、母親のメンタ

ルヘルス不調、夫婦関係の悪化

【対策】

・家事分担について、母親と良く話し合うようにしましょう!

・母親の話をよく聞き、お互いが納得できる父親、母親像を考えましょう。

・父親としての役割は増えますが、家庭の中で、自分ができる得意な家事を行い、母親をサポートしましょう。

・自分のストレス対策も時間の調整を行い母親と協力して行うようにしましょう。

・赤ちゃんは、別人格であることを理解し子育ての経過で、自分の理想とは違う出来事が起きることを十分に理解しましょう。

・祖父母、兄弟、友人など周りのサポーターに相談しお願いできることはお願いましょう。

・市町村や民間の地域子育て支援センター、産後ケアセンター等、社会資源について調べ活用しましょう。

・子どもを慈しみかわいがり、子育てを楽しみ、子どもの少しづつの成長を長い目で見ていきましょう。

1990年頃の育児書「はじめての赤ちゃん」主婦の友社発刊。当時のNo1育児誌

  • 『パパは「狩り」を忘れるほど、育児と家庭にのめり込んではいけません。(中略)荷物持ちや、授乳や洗濯を手伝うだけの小さな優しさに甘んじて、赤ちゃんやママを大きく包み込む、肝心のたくましい家長の役目を忘れないようにしてほしいのです。』

【まとめ】

子どもは、父親と母親が仲良く協力する背中の姿を見て、すくすくと成長していきます。子どもの途中の成長過程はそれぞれです。夫婦で試行錯誤しながら、たとえ、子育てにおける失敗があっても、家庭の中で温かく、協力・協働して子育てをしていくことで子どもは安心し、心の安全基地を築き、成長し自己肯定感を高めて、社会で自分の能力を発揮していきます。

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